1.太極拳歴

 
 
・1983年(42歳)のころ、仕事のプレッシャーで頭痛に悩まされ、健
 康法を探していた。たまたま、本屋で講談社スポーツシリーズの『太極
 拳』(楊名時、渋谷麻紗、著)という本に出会い、その本の教室リストに
 出ていた相模原武道学園・吉川喜之師範の教室に入門。
・1989年に神奈川県海老名市社家(しゃけ)に初めて教室を開設。
・1991年に熊本県人吉教室開設。
・1994年に「気功太極拳クラブ」(現在の「ポトス太極家クラブ」)を
 「町田市成瀬センター」(現在の「成瀬コミュニティセンター」)に開
  設。
・1995年に師範取得。
・2002年5月に成瀬台のゆりの木会館に「成瀬太極拳同好会」を開設。
・2003年に町田市旭体育館に開設された太極拳木曜会で指導を開始。
・2003年10月に太極拳のエッセイ集『太極拳は一生の友』を文芸社か
 ら出版。
・2005年4月に日本健康太極拳協会武相支部・支部長に就任。
・2004年から日本健康太極拳協会の機関紙『太極』の編集に参画。
・2011年、故・飯島敏宏監督・高田純次主演の映画「ホームカミング」
 で教室の仲間と太極拳を演舞。
・2011年から2017年まで、日本健康太極拳協会理事・広報機関誌委
 員長して、機関紙『太極』の編集人(編集責任者)を担当。

 

2.最近の太極拳活動

 
・武相支部会報『你好(ニイハオ)』第84号に「折り込み都々逸風
 『太極拳のすすめ』を掲載しました(本ホームページの「7.太極拳
 関連の作品」に載せました。
 
・武相支部会報『你好(ニイハオ)』第83号に「折り込み都々逸風『武相支部応援歌』を掲載しました(本ホームページの「7.太極拳関連の作品から」に載せました。
 
・2023/10/15に「太極拳グループ〈銀河〉」(3教室のグループの新名称)として、「成瀬コミュニティセンターまつり2023」に13人で参加し、舞台で10分間演舞を(第三段錦、第七段錦、不老拳)し、そのあと、会場の方々に立っていただき、3つの気功法(スワイショウ、第一段錦、大雁功)を10分間指導した。
・2023/10/10に日本健康太極拳協会本部(神田錦町)に行き(約5年ぶり)、柿内佐保子さんの師範審査に立ち会った。柿内さんは楊進先生の真ん前で演舞されたので、緊張されたようだが、見事合格された。そのあと、楊進先生、楊慧先生、楊玲奈先生、佐山一夫先生等と挨拶することができた。
・2023/02/24 本部から楊慧副理事長、楊玲奈師範をお呼びして「武相支部
 第31回太極拳春の集い」が町田市総合体育館で、約300人が集まって
 盛大に行われた。私のグループでは3教室合わせて8名で参加した。コロ
 ナ禍で3年間中止となり、4年ぶりの開催となった。
  楊慧先生、楊玲奈先生はそれぞれに含蓄のある講演をされた。その内容
 については武相支部の会報『你好(ニイハオ!』第82号に掲載される。
  今回は「武相式太極拳(24式太極拳を途中で対面にして又戻るように工
 夫されたもの)」の全員での演舞や、対面太極拳(不老拳と百花拳を対面
 で行うもの)を行うなどの企画で、楽しい雰囲気で進められた。
  本部の先生方と、この大会を準備・実行されたスタッフの皆さんに感謝
 を申し上げます。
 
・2022年11月27日に「太極拳山岸グループ」の14人で「高ヶ坂・成瀬フ
 ェスタ2022」に参加し、舞台での演舞(第三段錦、第五段錦、不老
 拳)と会場の方々への指導(スワイショウ、第一段錦、大鴈功)を行っ
 た。
 
第三段錦の演舞
 
 
第七段錦の演舞
 
 
会場の方々の様子

 

3.今後の予定

 
・2024年2月9日に「武相支部太極拳春の集い」に参加予定。

 

 

4.太極拳活動メモ

・2023/3/22 
 前述の「ゆっくり演舞」「低めの演舞」「粘っこい演舞」の続きです。
 実は、梅澤ふみ子先生からいただいたメールに「3つの演舞の後日談を書いてください」というコメントをいただきましたので、続きを書いてみます。
 この3つはもともと『太極』誌の120号に掲載していただいた「太極拳の目ざす方向」で述べたことを実践しようとするものです。この文章で述べたことは、太極拳で進む方向が3つあるのではないか、ということで、それが、「よりゆっくり」「より低く」「より粘っこく」だということです。
 まず、一つ目の、「よりゆっくり」ですが、どうしても太極拳を始めたばかりのときは演舞が早めになるものです。それをできるだけゆっくりにしてみましょう。その方が技が丁寧になる(ごまかしが効かない)し、動作と呼吸を合わせれば、呼吸が深くなります。今回、これを実践するにあたっては、不老拳を倍くらい時間をかけてやってみました。その結果、上記の2つの効果に加えて、「太極拳の瞑想的な効果がより深まる」ような気がしました。これは、普段の生活と違うゆっくりした動きにより日常を脱するからではないか、と思います(エアロビクスは反対に普段より速い動きをして日常を脱しています)。
 次に、二つ目の「より低く」ですが、これによって期待される効果は、「動作が安定する」ことと、「足腰が一層鍛えられる」ことです。今回これを実践する際の目安としたのは「中架式」です。太極拳を行うときの腰の高さを「拳架」と言い、「拳架平動」(拳架〔腰の高さ〕を変えないように平らに動く)を心がけることと、言われています。それで、拳架には三段階ある、と言われていて、それが、高架式、中架式、低架式です。高架式は腰高で行う演舞です。中架式は少し腰を降ろした高さの演舞です。低架式はより低い姿勢で行う演舞で、その目標は稽古要諦の股与膝平(股関節と膝を同じ高さにする)くらいの演舞を目標にするものと考えられます。低架式はかなりきついので、健康太極拳には不向きだと思います。それで、今回は、いつもより少し低いくらいの中架式を採用しました。その結果、分かったことは、上記の2つの効果に加えて、「呼吸が深くなる」ような気がしました。これは腰を低くすることにより、気持ちが一層落ち着くことと関係しているのではないか、と思います。
 最後に、3つめの「より粘っこく」ですが、これは私の恩師、故・吉川嘉之先生が「太極拳は空気の中で演舞しているのですが、上達してくると水の中で演舞するように粘っこくなります。さらに上達するとまるで油の中で演舞するようにさらに粘っこくなります」と言われた言葉を受けたものです。
 これで思い出すのが、相模原武道学園の先輩、木下 敏師範のとても粘っこい演舞です。このことで、一度、木下先生に「どのようにしたら、先生のように粘っこい演舞ができるでしょうか」と尋ねたところ、先生は「少林寺拳法をやると、こうなりますよ」と言われました。粘っこい演舞になるには理由が二つあると思います。一つは上達するほど「余計な力が抜ける」ということです。例えば肘や手首の力を抜いて腕を上下左右に動かすとお風呂のお湯のなかで動かすときのように粘っこい動きになります。もう一つは「上達するほど根元から動くようになる」ということです。根元から動くようになると、三節論(規範協定、p.119)で言う、根節からの動きが徐々に中節から梢節に伝わるので、体全体の動きが粘っこくなると思います。今回これを実践してみたところ、「太極拳の効果が一層全身的なものになった」ような気がしました。粘っこい動きのために太極拳がより全身的な動きとなり、そのために全身の細胞がマッサージされるからではないか、と思います。
 
・2023/2/9
  教室の準備運動で行っている「水平足踏み」に呼吸法を加えることにし
 た。これは、「水平足踏み」を奨励されている加藤治秀先生の本「万病に
 効く水平足踏み」(マキノ出版)を参考にしたもの。加藤先生が推奨され
 ている呼吸法はいわゆる「丹田呼吸」で、丹田に意識を向けて「フッフッ
 フッ・・・」とお腹を凹ませながら8回で吐いて、2回で吸う、というも
 の。但し、8回は少しきついと思うので、教室では6回吐いて、2回で吸
 うことにした。
  ところで、私の教室では、カリキュラム(楊名時先生が教室での指導内
 容と順序を定められたもの)に入る前に、5分程度の準備運動を行ってい
 る。初期には準備運動を行っていなかったが、九州の教室で稽古中に足
 が吊る人がいたので、体全体を予め動かした方が良いと考え、準備運動を
 始めた。
 
・2023年1月から「全肺呼吸法」(仮称)を始めた。別名「腹・胸・肩
 呼吸法」と名付けた。 
  まず、腹呼吸(吸いながらお腹を膨らませ、吐きながら凹ませる)次に
 胸呼吸(吸いながら胸を膨らませ、吐きながら縮める、最後に肩呼(吸
 いながら肩を上げ、吐きながら降ろ
 す)これらを3回ずつ行う。慣れたら腹・胸・
 肩の順に続けて行い、これを3回繰り返す。
〔この呼吸法の考えられる効果〕
1.全肺呼吸法全体の効果:
 ①肺がお腹から肩の辺りまであることを知る結果、普段の呼吸も深くな
  る。
 ②その結果、酸素吸収量が増え、酸素がより多く血液に溶け込み、血液が
  浄化される。
 ③お腹から肩までの運動になる。
2.それぞれの効果
 ・腹呼吸の効果:内臓がマッサージされる。
 ・胸呼吸の効果:呼吸筋が鍛えられる。
 ・肩呼吸の効果:肩こり、肩痛の予防・治療につながる。
 
・2022年11月くらいから2回目の演舞を「ゆっくり演舞」(普通の演
 舞の2倍くらいの時間をかける演舞)「低めの演舞」(普通より腰を低く
 した演舞)「粘っこい演舞」(水か油の中のような粘っこい演舞)で行う
 ことを始めた。
 
5.太極拳関連の作品集
 
・『太極通信』第1号から第90号
・『太極拳は一生の友』(文芸社)
・『事事関心』(第1号~第43号を日本健康太極拳協会の機関紙『太極』
 に連載した)
・日本健康太極拳協会機関紙『太極』に掲載した文
  ・「お二人の恩師」(2019年、第235号掲載)→このページの末
   尾に掲載しました。
  ・中野完二先生を偲ぶ(2023年、第247号掲載)
 
(今後、これらの作品のうちから主なものを読めるようにして行きます。)

 

6.太極拳教室のご案内

 

 太極拳はおだやかで無理のない運動なので、高齢化社会にぴったりの健康法です。

 私たちは下記の教室で練習しております。「太極拳に興味がある」、「運動不足を感じている」、「健康に関心がある」という方は、ご都合の良い教室に見学においでください。

1)ポトス太極拳クラブ

・練習場所 :成瀬コミュニティセンター(町田市西成瀬2丁目49―1)

・練習曜日/時間:土曜日/19:00~20:30(月3回)

・指導者:山岸壯吉(楊名時太極拳・師範)

 

2)成瀬太極拳同好会

・練習場所 :ゆりの木会館(町田市成瀬台3―9-5)

・練習曜日/時間:月曜日/10:00~11:30(月3回)

・指導者:山岸壯吉(楊名時太極拳・師範)

3)太極拳木曜会

・練習場所:木曾森野センター(町田市木曽東1丁目2)

・練習曜日/時間:木曜日10:00~11:30(月4回)

・指導者:山岸壯吉(楊名時太極拳・師範)、藤沼順子(楊名時太極

 拳・師範)

☆お問合せは山岸(yamagishis@mui.biglobe.ne.jp)まで、どうぞ。

                                以上

 
 

7. 太極拳関連の作品から

 
(武相支部会報「你好(ニイハオ)」第84号に掲載されたものです)
        折込み都々逸(どどいつ)風「太極拳のすすめ」
      た : 誰でも
      い : いつでも
      き : 気持ち良く
      よ : 喜びホルモン
      く : 汲み上げて
      け : 健康目指そう
      ん : ンミャーチ!
     (「ンミャーチ」は沖縄宮古島地方の言葉で「いらっしゃい」
      「ようこそ」という意味)
    
(武相支部会報「你好(ニイハオ)」第83号に掲載されたものです)
        折込み都々逸(どどいつ)風「武相支部応援歌」
     ぶ : 武道学園発祥で
     そ : その活動歴は三十年
     う : 後ろを踏まえ、前向きな
     し : 支部を目指そう
     ぶ : 武相支部!
 
(NPO法人日本健康太極拳協会の会報『太極』、2000年、第120号に掲載されたものです)
太極拳の目ざす方向
山岸壯吉
 太極拳は自分が好むやり方で楽しめばいいのですが、それだけですと進歩がないように思い、先へ進みたくなります。その場合、別のものに目が行って、自分のレパートリーに取り込むという方向もありますが、あまりそれをやると「質より量(数)になってしまうので、好ましくありません。それよりも、やはり24式一つに絞って深める方が賢明だと思います。
 「24式を深める」という場合、もちろん「24式の個々のわざを極める」という方向もありますが、それ以外に24式全体を通うじて目指す方向とし次の3つがあると思います。
⑴よりゆっくり(緩)
ゆっくりすることの意義の要点は以下の通り。
①より丁寧な動きができる。:同じ動きでも普通の体操のように速いと、雑にな   ります。
②呼吸がより深くなる。:太極拳に呼吸法の効果が加わります。
③全身の細胞活性化が促進される。:早い動きは一部の筋肉しか使いません。
⑵より低く(低)
①足腰が鍛えられる。
②姿勢が安定する。
③非日常的な視線になる。
⑶より粘っこく(粘)
①瞑想的な気分になれる。:恩師・吉川嘉之先生は「太極拳は水や油の中で動くようにねばっこく」と言っておられました。水や油のような液体を意識することにより、心身の奥深くに残る記憶(母の胎内でせせらぎのような大静脈の音や潮騒のような大動脈の音を聞いていた記憶等)がよみがえって、瞑想的な気分になれるのでしょう。
②根元(ねもと)からの動きになる。:”根元(手なら手首、腕なら肩、体全体なら腰)からの動き”が太極拳の動きの特徴です。
③上虚下実になる。:ねばっこい動きにするには力を抜く必要があります。
 ところで、以上の三つの方向もおのずから限度があると思います。「極をつくらない」という精神が必要です。そして、この限度というものは個人差もあると思います。「健康のためには演舞の個人差を認める」ということが、楊名時太極拳の特徴の一つですから。
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
(NPO法人日本健康太極拳協会の会報『太極』、2019年、第235号に掲載したものです)

              お二人の恩師

                             武相支部 顧問

                                 山岸壯吉

   私は太極拳人生の中で、いろいろな方々にお世話になりましたが、中でも、お二人の“恩師”と仰ぐ方々と出会うことができました。このお二人は楊名時先生の側近中の側近で、水戸黄門の“助さん格さん”のような方々です。

  お一人目の恩師は故・吉川嘉之先生です。私は40歳を過ぎたころ、ひどい頭痛に悩まされ、何か健康法が必要だと思っていました。そのころ、たまたま本屋で手にしたのが楊名時太極拳の本(講談社スポーツシリーズの『太極拳』)でした。その本の最終ページの教室リストに先生の教室(相模原武道学園)があったのです。ほどなく、私は先生の教室を訪ねました。そこには20~30名の方々が来ておられ、私も初めての太極拳を見よう見まねで動いてみました。

 先生はたくましい体格ながら気持ちの柔らかい方という印象でした。私は先生にも太極拳にも親しみを覚え、その場で入門させていただきました。先生から、太極拳の手ほどきだけでなく、指導者への道も開いていただきました。

 お二人目の恩師は故・中野完二先生です。先生と初めてお会いしたのは、武相支部の行事に楊名時先生とごいっしょに来られたときでした。そのときに、当時私が発行していた太極拳についてのエッセイ『太極通信』のコピーを先生にお渡ししました。すると後日、先生からお電話があり、「あなたの書かれたものを読みました。本部の広報・機関誌委員会に参加しませんか」というお誘いをいただきました。私は「これはチャンスだ」と思い、早速参加させていただきました。

 その後、2004年9月に本部の機関誌『太極』の編集に参加させていただきました。それ以来、中野先生から、原稿の書き方、言葉の使い方、編集(レイアウト)の仕方、等々についての懇切なご指導を受けました。そのお蔭で、『太極』第188号から第224号までの編集人(編集責任者)を担当することができました。

 このお二人の先生方のお蔭で、私は充実した太極拳人生を送ることができていると思います。本当にありがとうございました。

 
 


氏名:山岸壯吉

  アドレス:yamagishis@mui.biglobe.ne.jp
     

    ようこそ