1.好きな言葉

 
 
・しかし、先にいる多くの者が後になり、後にいる多くの者が先になる。(新約聖書
 マタイ20:16、新共同訳)
・だれでも高ぶる者は低くされ、へりくだる者は高められる。(新約聖書 ルカ
 14:11、新共同訳)
・貧しくもなく、金持ちにもせず、わたしのために定められたパンでわたしを養って
 ください。飽き足れば、裏切り、主など何者か、と言う恐れがあります。貧しけ
 れば、盗みを働き、わたしの神の御名を汚しかねません。(旧約聖書 箴言30:
 8~9、新共同訳)→信仰のページにこの言葉についてのエッセイを載せました。
・The man is only half himself ,the other half is his expression.(R.W.
 Emerson)
・アイオオク(アセルナ・イバルナ・オコルナ・オコタルナ・クサルナの頭文字)
                                  (楊名時)
・我以外皆我師(われいがいみなわがし)(吉川英治『宮本武蔵』より)
・人生に無駄なことは一つもない(遠藤周作)

2.愛読書

   
 ・『聖書』
 ・『万葉集』
 ・遠藤周作の著作(『沈黙』等)
 ・講談社スポーツシリーズ『太極拳』(楊名時、渋谷麻紗)
 
 

3.エッセイ集

 
 ・『少年よ大志を抱け』(2005年地元有志による交換日記「巡る日記」に掲
   載)
 ・『三つのァ』(2011年「巡る日記」に掲載)
 ・『縄文展と「考える人」』(2018年「巡る日記」に掲載)
 ・『不思議な一致』(2019年「巡る日記」に掲載)
 ・『土地との縁』(2020年「巡る日記」に掲載)
 ・『舎短取長について』(『太極通信』第56号)
   等。
  (今後、これらが読めるようにします)

           4. エッセイ集から

  

                                            〔舎短取長について〕

      (『太極通信』〔太極拳に関するエッセイ集〕第56号〔2003年9月

        20日〕より転載)

 私が会社で品質管理を担当していたとき、アメリカの子会社で工場が新設され、ライン点検(その工場が持続的に高品質の製品をつくり続けることができるかどうかを確認する点検)を行うことになりました。2時間くらいかけて点検し、その結果をまとめ、翌日の発表に備えてアメリカ人の秘書にタイプを頼んでホテルに戻りました。

 食事も終わり、メンバーがそれぞれの部屋に帰ってくつろいでいた夜の8時ころ、突然その会社のN社長(日本人)から私に電話が入りました。N社長は「今日はご苦労さん。ところで点検結果を見たが、あれではアメリカ人は動かないよ。ライン(註:工場の1製造ライン)の良くない点(問題点)だけを10件並べてくれたが、今夜中に良かった点(ほめるべき点)を同じ10件まとめ、合わせた20件を皆に発表してほしい。その順序は『良かった点→良くなかった点』にすること」とのことでした。それから急いでメンバーを集め、夜11時くらいまでかけて良い点を思い出し(点検のときには問題点だけを見ていたので、無理に捻出し)何とか10件にまとめました。

 日本では点検者は欠点を探し出すことが中心で、点検を受ける側もそれをありがたくうかがうという傾向がありますが、欧米ではそれは通用しないようです。しかし、国に関係なく、まず褒めて、しかるのちに改善を求めるほうが、人のやる気を起こすことは間違いないと思います。

 先日、「中国古典の人生学」(守屋洋著、PHP文庫)という本を読み流していて、「舎短取長」という言葉に目がとまりました。これは漢書(かんじょ)という本に出ている言葉で、読み下すと「短を舎(す)て長を取る」となるそうです。

 この本では事例として「人間関係」が挙げられていて、人には長所・短所があるので、その短所には目をつぶり、長所を学ぶようにすることが勧められています。

 楊名時先生(註:楊名時太極拳の創設者)が「組織がうまくいくためにはが大切」と言われているのは、メンバーひとりひとりが「互いの欠点には目をつぶり、良い点を尊重して、共通の目標のために動く」という気持ちが必要であることを言われているものと理解しています。これは正に「舎短取長」だと思います。

 上記のアメリカでの体験も、「まず良い点をほめてから問題点を指摘するということにより人のやる気を引き出す」ということで、「舎短取長」の一例だと思いました。

 この本では、もうひとつの事例として「読書」が挙げられていて、「本は沢山出版されているが、それぞれに長(役にたつ点)がある反面、短(役に立たない点)があり、あるテーマについて1冊だけ丹念に読むより、なるべく多くの本の良い点を学ぶほうがいい」という主旨のことが書かれています。私はこれを読んで「たった1冊の本しか読んだことのない人間を警戒せよ」というアイザック・ディスレリイという人の言葉(格言の花束、現代教養文庫)を思い出しました。 

 それと、以前にゴルフの話で、「前半が終わったら、うまくいったホールだけを思い出すようにすると、後半のスコアがよくなる」ということを読んだことがあります。これも「舎短取長」のひとつの例ではないでしょうか。

 さらに、立禅(註:太極拳の最初に心を静めるために行うもの)のときに、自分が気持ちよく感じる光景(富士山のような山の姿、摩周湖のような湖の姿等)を思い浮かべるという意想法(拙著『太極拳は一生の友』、P.105)という方法がありますが、これも「今までに体験した多くの光景の中から気持ち良く感じるものだけを採用する」という点で舎短取長のもう一つの例だと思います。

 

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               〔不思議な一致〕

                        2019年6月29日 山岸壯吉

 以前にテレビで、ある男の俳優さんが、「今までパリに3回行ったけれど、そのたびに、パリの同じ公衆トイレの入り口で、日本の同じ女優さんに会った」という話をしていました。こういうのを“不思議な一致”とでも言うのでしょうか。

 実は、私にも、特に“不思議な一致”を感じている方々が3人おられます。

 最初の方は大学時代の同じ学科の「Iさん」です。ある時、Iさんと一緒に大学から帰ったときのことです。大学の最寄りの駅から総武線に乗って新宿まで来たときに、「僕は小田急線に乗るけれど、君は?」と聞いたら「僕もそうだよ」と言うので、一緒に小田急に乗りました。かなり乗ってから「僕は成城学園前で降りるので」と言ったら、また「僕も成城だけど」。成城で降りてから「僕は南口だけど」と言ったら、またまた「僕もそう」。それで、一緒に10分くらい歩いて僕の家の前まで来たので、「僕の家はここなので失礼するよ」と言ったら、「え?僕は君の家の裏に下宿しているんだ!」と言うのです。これには二人ともびっくり仰天!

 それ以降、お互いの部屋同志を有線でつないで、いつでも話せるようにし、Iさんが関西の会社に勤めるまでを過ごしました。

 二人目の方は韓国人の商社マン「Ⅼさん」です。ある商社がアメリカに技術者を招待してくれることになり、なぜか私が行くことになりました。それが私の最初の米国出張でした。サンフランシスコ空港に着くと、今回、案内をしてくれる人が迎えてくれました。その人がその商社に勤めるⅬさんだったのです。その時は一週間くらい一緒にICメーカーを数社訪問し、見学したり意見交換をしたりしました。

 Ⅼさんは韓国語、日本語、英語に堪能で、アメリカ人と英語で堂々と議論していました。日本語も、最初私はⅬさんが日本人かと思ったほどです。

 帰国後、相模原市の工場へ行く用事があって電車に乗ったところ、Ⅼさんが同じ工場に行くために同じ車両に乗っていたのです。さらに、その後、2回目のアメリカ出張のとき、羽田で飛行機に乗って、座席まで行ったら、何と、Ⅼさんが隣りの席に予約していて、先に座っていたのです!アメリカに着くまで、Ⅼさんと積もる話をしたことは言うまでもありません。

 三人目の方は太極拳仲間の「Yさん」です。私が平成6年に九州から帰ってきて、家の近くに教室を作ろうと思い、練習場所を探したところ、すぐに見つかりました。そこで、チラシを作って家内と近所を回ってポスティングしました。その中にYさんのお宅もあったのです。それで、教室発足の初日にYさんご夫妻が来てくださいました。

 しばらくしてから、出身校の話になり、僕の出身校を言ったところ、彼も同じだったのです。それだけではなく、話しているうちに、学部も学科まで同じであることが分かりました!

 加えて、私達の出た大学は当時“外研”と言って、外部の研究機関に学生を派遣して卒業研究をさせていたのですが、私とYさんは世田谷にあるNHK放送技術研究所の物性研究室に派遣されていたのです!(年齢が少し離れているので、学生時代に出会うことはありませんでしたが)。

 しかも、そういう方が、私の家から歩いて3分くらいのところに住んでおられたのです!

 

 以上の3人の方々との“不思議な一致”は、単なる偶然とは思えず、人知を超えた“何か偉大な存在”(Something Great)の働きによるものかもしれないと思わされました。

5.他の活動について

 ☆現在、ほとんど活動をしていない、「音楽」と「マジック」の活動歴については、 

 旧ホーム・ページ( http://www5e.biglobe.ne.jp/pothos/   )をご覧ください。

6.最近経験したこと

2023年1月22日(日)の千秋楽に国技館へ初場所の相撲を見に行った。

 場所は枡席の一番上で、かなり土俵まで距離があった。8倍の双眼鏡で見ると、テレビで見るのと同じくらいに見えた。しかし距離はあっても、実際に見ると、その気迫が良く伝わってきた。特に、十両に比べて幕内の気迫はすごいものがあった。

 国技館に入ってすぐ気が付いたことは、土俵が白く輝いて見えたこと。そこだけ浮かんでいるような気がした。

 最後の取り組みで優勝が決まるというので、特に雰囲気が高まった。その取組みの懸賞旗がいつまでも絶えず、一度みんなが降りて、また回り始め、それが何回も繰り返されたので、拍手が起こったことも面白いと思った。数えたわけではないが、百本近く懸賞が出たのではないかと思う。

 もう一つ、面白かったのは、力士名のタオルによる応援のことだ。すぐ後ろの席が個室のようになっていて、ここの人が来て、二人の力士のタオルを渡して、この人たちが出たら応援してください、と言ってきた。どうやら何人もタオルを振っているのは、こういう人がタオルを配って頼んでいるらしい、ということが分かった。

 スマホで何枚か写真を撮ったが、なかなかむつかしかった。一枚だけ、照強(てるつよし)の塩撒きのシーンを撮ったら、思ったよりよく撮れた(下に掲載)。

 

 



氏名:山岸壯吉

  アドレス:yamagishis@mui.biglobe.ne.jp
     

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